スタートは鎌倉の大仏さま。ここに集まる皆さまは大仏さまがお目当てですから、拝観の後には駅方向へと戻っていかれます。私たちは駅方向とは逆、県道32号線を北へと足を進めます。さっきまでの賑わいが嘘のように、一気にローカルな雰囲気が漂います。
道なりに3、4分進むと県道の大仏トンネルがあり、そのすぐ手前右側にハイキングコースへと続く階段があります。数日前の雨のせいか、階段のコンクリートの割れ目からポタポタと水が滴って道路を濡らします(鎌倉ローカルはこのしたたる水を ”しぼり” と呼びます)。
ハイキングコース入口の階段を登り切るか切らないか、のところで写真の案内板があります。そのまま階段を進むと鎌倉七口のひとつ「大仏切通し」へ。鎌倉時代には街と外界をつなぐ重要な道であり、重要な防衛機構でもあった「切通し」。当時の姿が色濃く残る大仏切通しはぜひ見ていただきたいポイント。お時間があれば、是非。
大仏ハイキングコースはこの看板で右折します。すると右手にさっそく急な岩の階段が。まっすぐ進む道と岩の階段と二手にわかれますが、岩の階段を上ってください。
先ほどの急な岩の階段を過ぎると、山の尾根伝いに比較的平坦なコースが続きます。足元がぬかるんでいたり木の根が露出していたりしますので注意して進みましょう。
しばらく山道を歩くと現れる「カフェテラス樹ガーデン」の看板。人口の造作物のない山道に慣れた頃に現れる看板にドキッとします。こちらのお店、麓から階段で入店することも可能ですが、「山道からのオアシス」のギャップ感を楽しむなら、ハイキングコースからのアクセスが絶対オススメです。
カフェテラス樹ガーデンを過ぎると、またしばらく山道が続きます。春には桜が咲き、初夏にかけては爽やかな声でウグイスが鳴き、夏でも木陰が続き比較的涼しいハイキングコースの自然を堪能しながら歩いていると、少しだけ開けた場所にでます。よくよく見ると「佐助稲荷」の案内が。
ヘアピンカーブを曲がるように佐助稲荷と書かれた方向へ進んでいくと、途中からは険しい下り坂。設置された心もとない手すりを頼りにソロリソロリと坂を下りきるとそこは佐助稲荷の境内裏手。源頼朝を出世に導いたありがたきお稲荷さまに手を合わせましょう。
佐助稲荷からもと来た道に戻るとゴールまではあと少し。10分ほど進むと山道から舗装された道路へと出ます。途中で右手の視界が突然開けて鎌倉の街並みから材木座・逗子マリーナまでが一望。海からほど近い大仏さまから山を歩いてきたのが実感できます。あと5分もあるけば源氏山公園。ゴールはすぐそこです。
さてさて、源氏山公園からは3つのルートが選べます。一つは源氏山から北鎌倉へと伸びる「葛原岡ハイキングコース」。もう一つは鎌倉七口「化粧坂」を下って海蔵寺、英勝寺、寿福寺方面へ。もう一つは鎌倉駅への一番の近道、銭洗弁天方面へと進むルート。そう、どれもオススメなんです。