南を海に、その他周囲すべてを山に囲まれた天然の要塞、鎌倉。
かつては鎌倉へ通じる陸路は、鎌倉七口と呼ばれる重要な防衛機構でもあった7つの山を掘削した狭い道(切り通し)のみでした。海に目を向けると、旧鎌倉の海岸線を形成するのは材木座海岸、由比ヶ浜海岸、坂の下海岸。これらは大きく弓なりに連なって、その両端は海に突き出した崖となり当時の鎌倉の街を守っていたのです。
その西側の崖が「稲村ヶ崎」。
鎌倉幕府滅亡時、新田義貞が率いる朝廷軍は陸路から侵入を試みましたが、切り通し(小袋坂・極楽寺坂・化粧坂)を切り崩せずに稲村ヶ崎へと回り込みました。しかし、そこは切り立った崖に岩が露出し荒々しく波が打ちつけます。新田義貞は海に黄金の太刀を投げ入れて龍神に祈ると、潮が一気に引いてなだれ込むように朝廷軍が鎌倉の街へとなだれ込み、その数日後には時の得宗、北条高時を自害に追い込み鎌倉幕府は滅亡となったのです。
切り立つ稲村ヶ崎の崖
太刀を投げ入れたのは後世の創作で新田義貞は干潮を知っていてそれを利用した、とか実は稲村ヶ崎の丘の上から入幕したという説もありますが、まぎれもなく稲村ヶ崎は歴史の転換点を見つめていたのです。
今では「稲村ガ崎公園」として綺麗に整備されて、公園の入り口には「新田義貞徒渉伝説地」と書かれた石碑も立っています。展望台へと階段を登ると足元の七里ヶ浜からその奥に江ノ島、空気の澄んだ天気のいい日には富士山も綺麗に見ることができます。南の水平線の彼方にはぼんやりと大島の姿も。「かながわの景勝50選」「関東の富士見100選」にも選ばれています。秋から冬にかけて沈む太陽と夕焼けをバックに浮かび上がる江ノ島と富士山の姿は一度は見ておきたい光景です。
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稲村ヶ崎(稲村ガ崎公園) |
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〒248-0024 神奈川県鎌倉市稲村ガ崎1-19 |
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江ノ電稲村ケ崎駅から徒歩7分。駅を出たら海側へ向かいます。海沿いの国道134号へ出たら海に向かって左に見える、海へ突き出た稲村ヶ崎を目指します。 |
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自由です。 |
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https://www.city.kamakura.kanagawa.jp/koen/p_kaihin.html |
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なし |
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公園入口に数台可能です。 |
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撮影自由 |
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OK |