「鎌倉で小粋に梅花見」
鎌倉・梅の名所見どころ徹底案内

荏柄天神社、紅白の梅

  • 瑞泉寺境内の梅
  • 瑞泉寺の黄梅
  • 瑞泉寺の黄梅2
  • 東慶寺境内の梅
  • 東慶寺の梅
  • 荏柄天神社の紅白梅
  • 荏柄天神社の梅
  • 荏柄天神社のおもいのまま
  • 長谷寺境内の梅
  • 長谷寺の梅
  • 光則寺境内の梅
  • 光則寺の白梅
  • 海蔵寺境内と枝垂れ梅
  • 茅葺屋根と紅梅
  • 海蔵寺の「おもいのまま」
  • 宝戒寺参道の梅
  • 宝戒寺の枝垂れ梅
  • 円覚寺の梅
  • 円覚寺黄梅院の梅
  • 浄智寺の梅
  • 浄智寺の枝垂れ梅
  • 英勝寺仏殿と白梅
  • 英勝寺仏殿と白梅2
  • 浄妙寺山門の梅
  • 浄妙寺境内の梅
  • 喜泉庵のお茶席
  • 喜泉庵の枯山水と白梅

鎌倉の梅の名所、見どころをご案内します。

年が明けて初詣の参拝客が落ち着くと、一年で一番落ち着いた時期を迎える「鎌倉」ですが、梅が咲く頃になると、梅の花見を目当てに少しずつ人出が戻ってきます。
桜、菖蒲、藤、紫陽花、ノウゼンカズラ、萩、紅葉と豪華絢爛な鎌倉の花暦ですが、そのトップバッターを務めるのが梅でございます。梅は別名「春告草(はるつげぐさ)」と言い、まだまだ寒風吹きすさぶ2月の初旬、鎌倉で一番に咲くと言われる荏柄天神社の「寒紅梅」が私たちに春がすぐそこまで来ていることを教えてくれます。

今回の特集では、鎌倉にある梅の名所をご案内します。

鎌倉で梅といえばまずお勧めしたいのが、鎌倉一番の規模、本数を誇る「瑞泉寺」。こちらは本数だけではなく、梅の種類も豊富。とても珍しい「黄梅」も楽しんでいただけます。次点を争うのが北鎌楽の「東慶寺」と二階堂の「荏柄天神社」。どちらも歴史のある社寺で、風情ある様を堪能していただけます。
長谷エリアには、長谷の2大梅名所「長谷寺」と「光則寺」があり、その他の梅の名所も歴史ある寺社の境内にあって、梅の花と寺社建築、歴史の背景までもまとめてお楽しみいただけます。

鎌倉ならではの梅をどうぞ存分にお楽しみください!

鎌倉・梅の名所 BEST3 + 1

梅林と瑞泉寺

No.1 瑞泉寺

鎌倉一の梅の名所。境内では120本とも150本とも言われる梅の木が枝ぶりも見事に咲き誇ります。

東慶寺参道の梅林

No.2 東慶寺

東慶寺は北鎌倉一の梅の名所。境内奥へと向かう参道では100本を超える梅の木が出迎えてくれます。

荏柄天神社の紅白梅

No.3 荏柄天神社

鎌倉一の早咲きと言われる寒紅梅をはじめ、白から真紅まで色とりどりの梅が朱塗りの本殿を背景に美しく咲きます。

浄妙寺・喜泉庵の梅

+1 浄妙寺・喜泉庵

枯山水のお庭と「美鈴」さんの上生菓子に水琴窟。そして梅。この時期の喜泉庵は特別にユニークな体験。

二階堂・金沢街道、小町方面の梅の名所

梅林と瑞泉寺

瑞泉寺

鎌倉一の梅の名所。境内では120本とも150本とも言われる梅の木が枝ぶりも見事に咲き誇ります。

荏柄天神社の紅白梅

荏柄天神社

鎌倉一の早咲きと言われる寒紅梅をはじめ、白から真紅まで色とりどりの梅が朱塗りの本殿を背景に美しく咲きます。

宝戒寺境内の梅の木

宝戒寺

源氏から実権を受け継いだ(奪った?)北条家一族を弔うために鎌倉幕府滅亡後に建てられたお寺。後醍醐天皇が開基。

浄妙寺と梅

浄妙寺

落ち着いた雰囲気の浄妙寺に静かに咲く梅のマリアージュは最高。余分なものをそぎ落とした凜とした佇まい。

浄妙寺・喜泉庵の梅

浄妙寺・喜泉庵

枯山水のお庭と「美鈴」さんの上生菓子に水琴窟。そして梅。この時期の喜泉庵は特別にユニークな体験。

北鎌倉の梅の名所

東慶寺参道の梅林

東慶寺

東慶寺は北鎌倉一の梅の名所。境内奥へと向かう参道では100本を超える梅の木が出迎えてくれます。

円覚寺選仏前の梅

円覚寺

数は多くありませんが、境内のあちこちに梅の木が植えられて、様々な景色を楽しませてくれます。

浄智寺の枝垂れ梅

浄智寺

緑や苔、階段、建築物…全てが良い具合に調和した趣のあるお寺に静かに咲く梅の花がとても似合います。

長谷、鎌倉駅西口方面の梅の名所

海蔵寺と枝垂れ梅

海蔵寺

藁葺き屋根の庫裡を背景にさく梅は絶好の写真スポット。梅の木の数は多くはありませんが風情ある写真が撮れます。

長谷寺庭園の梅

長谷寺

鎌倉の西方極楽浄土と呼ばれる長谷寺の日本庭園ではそこかしこで梅の花があなたをお出迎えします。

光則寺・趣ある枝の梅

光則寺

山門前にある樹齢200〜300年と言われる梅の木の枝振りはお見事。境内横の幼稚園児のママさん達が梅干しを作ります。

英勝寺本殿前の梅

英勝寺

鎌倉で唯一の尼寺。四季折々に花が咲き、報国寺に負けないほどの竹庭を持つ。こじんまりとしているが趣のあるお寺。

「瑞泉寺」 約150本。鎌倉一の梅の名所。

  • 瑞泉寺境内の白梅
  • 瑞泉寺の黄梅

境内には150本もの梅の木があると言われる「瑞泉寺」。鎌倉で一番の規模を誇ります。
規模だけでなく種類も豊富です。珍しいものでは、鎌倉市天然記念物に指定されている本堂前の黄梅。この木をもって「牧野富太郎博士(編集部注:日本植物学の父と呼ばれる植物学者)はオウバイの学名を付けられた」と立て札に書かれています。黄梅の他にも白梅、紅梅、緋梅に枝垂れ梅、ソシンロウバイと見るものを飽きさせません。一番の見所は本堂周辺。本堂目の前には前述の黄梅。本堂左脇には薄いピンクの枝垂れ梅。本堂へと伸びる参道の左手に白梅と少しの紅梅。参道右にはここにも黄梅とソシンロウバイと色鮮やかです(その年の天候等により咲く時期も少しずつ異なるのでご注意を)。

山門への階段を上る手前、参拝受付のすぐ奥に前庭があり、ここの梅も見事です。梅の木の間を縫うようにして散歩道があり、梅の花が咲く頃にはまるで梅のトンネルの様。大きく深呼吸してその淡い香りを楽しみましょう。

日当たりの良い、本堂前の梅の方が若干早く咲き、その後を追うようにして前庭の梅が見頃になります。

「東慶寺」 北鎌倉で一番の梅

  • 東慶寺参道の梅
  • 東慶寺の紅梅

北鎌倉での一番の梅の見どころと言えば「東慶寺」。普段は円覚寺や建長寺、明月院などに主役の座を奪われがちな東慶寺ですが、この時期には梅の花見が目当てのたくさんの人で賑わいます。

北鎌倉駅から巨福呂坂、鶴岡八幡宮方面へと鎌倉街道を行き、途中で右手に折れるとすぐに東慶寺がありますが、右折するとすぐに山門へと至る階段の途中、斜面から空に向かって大きく伸びる梅の木が迎えてくれます。

階段を登り山門をくぐると目の前には梅、梅、梅。参道手前には鐘楼がありその手前には龍が臥(ふ)せた様な姿の「臥龍梅」が目を引きます。中央から奥へとまっすぐ伸びる参道の両側には紅白の梅や八重の梅が境内を彩ります。

お時間があれば、東慶寺の後に浄智寺へと向かい、その足で葛原岡ハイキングコースへと向かわれてはいかがでしょう。山道を通って源氏山へと抜けることができます。

「荏柄天神社」 東風吹かば 匂いおこせよ 梅の花…

  • 荏柄天神社本殿と寒紅梅
  • 荏柄天神、思いのまま

天神さまといえば「菅原道真公」を祀る神社。菅原道真の梅にまつわるエピソードとしては飛梅伝説があまりにも有名です。

 「東風吹かば 匂いをこせよ 梅の花 主なしとて 春な忘れそ」

京都から左遷された菅原道真を慕って、京都自邸の梅の木が左遷先の太宰府まで空を飛んで行ったという伝説で、その梅の木は今でも太宰府天満宮の御神木になっています。太宰府天満宮を筆頭に日本三大天神に数えられることもある荏柄天神社でも「梅」はシンボルになっています。本殿の右手には、鎌倉で一番に咲くと言われる「寒紅梅」。本殿を挟んで左手には大きな白梅の木があり、まだ春の足音も遠く、寒い時期に揃って咲く様は壮観です。この本殿両脇の紅白の梅が見頃を終えた頃には、手水鉢の裏手にある紅梅や臥竜梅、本殿の右手に集中する白梅、絵札塚近くの枝垂れ梅、山門手前のおもいのままなど種類も豊富に3月に入る頃まで楽しませてくれます。

「長谷寺」 長谷エリアで一番の梅見所

  • 長谷寺庭園の緋梅
  • 荏柄天神社・寒紅梅

「長谷に梅あり」と鎌倉市内至る所にポスターが掲出され、看板に偽りなしの艶やかに咲く梅が堪能できるのがここ長谷寺。西方極楽浄土と言われ、極楽浄土を模して(イメージして)作られた長谷寺の日本庭園を紅梅、白梅などの梅の木と、河津桜などが彩ります。

今まで気にして見ていなかったからでしょうか、この春(2016年)から設置された(?)赤い傘と緋毛氈のかけられた縁台がアクセントになってこの空間を引き締めます。 暖かい日には梅の花にとまるメジロも風流で、華やかな景色が堪能できます。

鎌倉時代以前からある(伝736年創建)長谷寺の日本庭園に咲く梅は、鎌倉時代に広まった禅宗の一つである臨済宗のお寺「瑞泉寺」の華やかさを一切省いた質実剛健な庭に咲く梅の雰囲気とはまるで対象的。瑞泉寺と長谷寺の趣の違う二つの梅が生み出すコントラストをぜひ楽しんでください。この二つのお寺は距離もありますので、海が近く比較的暖かい長谷寺の梅を先に見て、後日改めて瑞泉寺へと行かれるとちょうど良いかと思います。

「光則寺」 長谷名物、光則寺の梅。

  • 光則寺掲題北側の梅
  • 光則寺の白梅

長谷エリアの2大梅花見スポットが「光則寺」。
光則寺でまず目につくのは長谷幼稚園を過ぎたあたりにある梅の木。梅の木とは思えない程とても背が高いのが特徴です。山門すぐ前には樹齢200年とも300年とも言われる見事な枝振りの梅の木があります。まるで龍が地面を這っているかのごとくで、こういった梅の木を「臥龍梅」と昔の人はいいました。

境内に入ると本堂中央から右手側に梅の木が集まっていて、壁に沿った小道を進むと紅白の梅のトンネルです。鳴き始めたウグイスの声も聞こえます。

光則寺が運営する長谷幼稚園のママさん達による、光則寺の梅の実でつくった梅シロップ、梅干し、ゆかりなどが9月に光則寺参道で行われる「のみの市」というイベントで手に入りますよ。数量限定、売切御免の人気商品。出会った方はぜひ。鎌倉土産におすすめの一品です。

「海蔵寺」 伝統的日本の風景 茅葺屋根と枝垂れ梅

  • 海蔵寺・枝垂れ梅
  • 海蔵寺紅梅2

「海蔵寺」も鎌倉有数の花の寺で、梅、福寿草に始まり紅葉に終わるまで始終季節の花で溢れる素敵なお寺さんです。

扇ガ谷の谷戸の奥まったところにあり、境内に入ると見えるのは薬師堂、庫裏といった歴史のある堂宇と海蔵寺を囲む山々のみ。そこに大きな枝垂れ梅が鮮やかに咲いて華を添えます。鐘楼の前にも枝振り見事な梅の木があって、薄いピンクと少し濃いピンクの紅梅が一つの木の枝で共演します。

梅の木の数は多くはありませんが、まるでタイムスリップしたかのような風情が楽しめる、梅花見におすすめのお寺です。

「宝戒寺」

  • 宝戒寺参道の梅
  • 宝戒寺・枝垂れ梅

「宝戒寺」は鎌倉幕府滅亡時、東勝寺合戦で800人が自ら命を絶った北条氏一族、家臣を祀るために建てられたお寺。神社仏閣にはそれぞれ歴史がありますが、こちら宝戒寺ではより一層身が引き締まります。そのせいか、境内に咲く梅も厳かでどこか凛とした雰囲気。

参道には丸く剪定された梅の木がならび、参拝者を迎えてくれます。本堂前の大きな白梅、大聖歓喜天堂(だいしょうかんぎてんどう)付近の紅梅も素晴らしいのですが、宝戒寺の一番の見どころは境内中央左手にある大きな大きな枝垂れ梅。ただ、最近は元気がなくなってしまってます。元気付けに行ってあげてくださいね!

「円覚寺」

  • 円覚寺選仏前の梅
  • 円覚寺黄梅院の梅の木

円覚寺は鎌倉で一、二を争う巨大寺院。ここにも梅が咲いてます。

梅の木が群生している様子はありませんが、それぞれの場所で趣深く咲いてます。存在感抜群の山門脇の梅や、茅葺屋根の選仏場前の梅、方丈前庭にある百観音の紅梅や枝垂れ梅、仏日庵の臥龍梅、黄梅院の梅とそれぞれに絵になります。

「浄智寺」

  • 浄智寺のソシンロウバイ
  • 浄智寺の枝垂れ梅

「浄智寺」は北鎌倉の情緒溢れる素敵なお寺であり、鎌倉五山第4位の寺格の由緒正しいお寺です。ここ浄智寺でも梅の花が咲きます。本数は多くありませんが清潔感のある趣を楽しんでください。

まず花が咲くのが書院前のソシンロウバイ。鮮やかな黄色が見事です。本堂の奥には何本かの梅の木。枝垂れ梅も見事に咲いてます。

北鎌倉駅で降りたら円覚寺の梅。それから東慶寺の梅を堪能して浄智寺の梅花見、というコースはいかがでしょう。

「英勝寺」

  • 英勝寺本堂前の梅
  • 英勝寺本堂前の梅2

「英勝寺」は現存する鎌倉唯一の尼寺で鎌倉屈指の花の寺としても有名です。

ここ英勝寺一番の梅は本堂南側、仏殿と山門の間に咲く梅の木です。本堂は銅板葺きで質素、簡素な雰囲気ですが、古びた木の壁を背景に咲く白梅が色味を抑えて侘び寂びの風情です。華やかさは全くありあせんが、いい梅です。

仏殿北側にも梅があり、こちらは日陰のため南側よりも遅く咲きます。その他境内や参拝受付近くにも梅の木があります。参拝受付がある通用門前の梅は人力車に乗った方の写真スポットになっています。

「浄妙寺」

  • 浄妙寺山門と梅
  • 浄妙寺境内の梅

鎌倉五山第5位の「浄妙寺」。まずは山門前で梅がお出迎え。

境内には、山門から奥へとまっすぐに伸びる参道両脇に紅白の梅の花が咲きます。銅板葺きの本堂といつも綺麗に保たれた庭を梅の花が彩ります。山門側から本堂を背景に見る梅も素敵ですが、本堂側から山門方面を振り返って見る梅もお勧めです。金沢街道を挟んだ南側にある山々がキャンバスとなって全く別の場所の梅を見ているようです。

「浄妙寺・喜泉庵」 枯山水庭園と梅

  • 喜泉庵のお抹茶
  • 枯山水と梅

鎌倉の梅の締めは、ここ「喜泉庵」。梅の木は2,3本ととても少ないのですが「梅花見」の本質があるように思います。

千利休は朝顔の花見に訪れた太閤秀吉のために一輪の花のみを残して他の朝顔を一切刈り取ってしまいました。そんな心づかいがここ「喜泉庵の梅」にはあるように思います。枯山水の庭にせり出た一本の梅の枝。それを抹茶をいただきながら雪見障子越しに慈しむ。或いは縁側の陽だまりに座ってゆっくり楽しむのもいいですね。

豪華絢爛、華やかな花見は桜にお任せして、梅の花見は控えめに「侘び」や「寂び(然び)」を楽しむ。「UNIQUELY鎌倉」からのご提案です。

鎌倉エリア別ガイド