円覚寺総門前の紅葉

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円覚寺

鎌倉五山第二位 8代執権北条時宗の寺。

北鎌倉駅を降りてすぐ、視界に飛び込んでくる大寺院・円覚寺。かつては境内だった場所をJR横須賀線が通過しています。駅の横にある百鷺池(びゃくろち)も円覚寺の一部です。奥へと境内が広がる円覚寺を歩いてみると、まるでタイムスリップした中世の町を歩いているかのようです。立派な三門をくぐるとその先には仏殿、大方丈、多くの塔頭が残り、夢窓疎石の作庭と伝わる美しい妙香池には目を見張ります。

円覚寺は元寇における両軍の戦没者を弔うため、無学祖元を開山に迎え北条時宗によって1282年(弘安5年)に創設されました。元寇は国土を外国から攻められるという鎌倉幕府史上、最悪の事件だったであろうことが想像できます。苦戦しつつもこの国難を乗り切った北条時宗はやはり偉大な人物だったといえるでしょう。

現在の円覚寺では初心者も参加できる座禅会などが数多く開かれ、世界に禅の教えを伝えるグローバルな禅寺のひとつとなっています。日本人だけでなく多くの外国人観光客も訪れる寺院なのです。また、鎌倉で国宝と言えば円覚寺の名前が真っ先に浮かびます。鎌倉には国宝が15個ありますが、そのうちの2つが円覚寺にある「舎利殿」と「洪鐘(おおがね)」なのです。

 

名称 瑞鹿山円覚寺(ずいろくさんえんがくじ)
宗派 臨済宗円覚寺派
所在地 〒247-0062 神奈川県鎌倉市山ノ内409
アクセス JR横須賀線北鎌倉駅徒歩1分
拝観時間 3月 〜 11月:8:00 〜 16:30
拝観時間 12月 〜 2月:8:00 〜 16:00
休日 無休(荒天時はお休みのことがあります)
拝観料 大人 300円 / 子供 100円
TEL 0467-22-0478
URL www.engakuji.or.jp
駐車場 円覚寺門前に駐車場あり(普通車600円 / 1時間 大型車2000円 / 1h)
駐輪場  
撮影 境内、写真撮影可能です。一脚、三脚の使用は他のお客さまの迷惑とならないようにお願いします。
ペット リードを付ければペット同伴可ですが、入山時に念のため確認をお願いします。リードは短くマナーを守りましょう。「ペット同伴OK」を知らない参拝者に白目で見られるかもしれません…。かつてワンちゃんを飼っていた円覚寺塔頭・佛日庵ではペット同伴OKです。

円覚寺について

円覚寺詳細情報

円覚寺・総門

◼︎名称:円覚寺(えんがくじ)
◼︎正式名称:瑞鹿山円覚興聖禅寺
◼︎宗派:臨済宗円覚寺派
◼︎寺格:鎌倉五山第二位 / 臨済宗円覚寺派大本山
◼︎御本尊:宝冠釈迦如来(鎌倉市指定文化財)
◼︎創建:1281年(弘安5年)
◼︎開山:無学祖元
◼︎開基:鎌倉幕府8代執権北条時宗
◼︎国宝:舎利殿 / 梵鐘
◼︎文化財:重要文化財などに指定された多数の文化財を所持しているが、そのほとんどを鎌倉国宝館に寄託しています。
「UNIQUELY鎌倉」鎌倉国宝館

円覚寺の縁起について

円覚寺・山門(三門)

鎌倉時代中頃、日本は1274年(文永の役)、1281年(弘安の役)と二度にわたりモンゴル帝国からの侵攻に立ち向かいます。幕府軍は主に九州の武士(地頭や御家人達)の活躍でモンゴル軍を退けますが、双方ともに多数の戦死者を出してしまいます。


時の執権、北条時宗が敵味方の区別なく菩提を弔うために建てたのがこの円覚寺です。

【国宝】梵鐘、洪鐘(おおがね)

国宝・洪鐘

1301年(正安3年)に北条貞時が国家安泰を祈って作らせた巨大な梵鐘・洪鐘(おおがね)。総門を入り、木々が茂る右手の方へ進むと長い階段があり、その先に関東一の大きさを誇るこの洪鐘があります。洪鐘の隣には弁天堂があります。

【国宝】舎利殿 (円覚寺塔頭正続院内)

国宝・舎利殿

円覚寺塔頭の正続院にある国宝の舎利殿(しゃりでん)。ここには、鎌倉幕府三代目将軍、源実朝が宋より請来した佛牙舎利(お釈迦さまの歯)が祀られています。一般拝観はお正月三が日や秋の宝物風入れの時期など、限られた日のみです。普段は境内には入れませんが正続院山門からその姿を垣間見ることはできます。

鎌倉三十三観音 第三十三番札所「佛日庵・十一面観音」

佛日庵・開基廟

円覚寺の塔頭(たっちゅう)の一つ、佛日庵は鎌倉三十三観音の最後、三十三番目の札所です。

円覚寺の開基、8代執権北条時宗公をお祀りしておりまして、佛日庵境内の開基廟では時宗公の他に9代執権北条貞時公、鎌倉幕府最後の執権(14代)北条高時公の木像、そして「十一面観音」様がいらっしゃいます。鎌倉三十三観音巡りの最後にお参りすると「結願(けちがん)印」を押してもらえます。

鎌倉三十三観音の御朱印は円覚寺の拝観受付近くにある御朱印所ではなく、佛日庵でいただきましょう。三十三観音の御朱印であることを忘れずに伝えましょう。


御朱印と巡る鎌倉三十三観音巡り特集

鎌倉二十四地蔵巡り 十三番札所「正続院・手引地蔵」

鎌倉二十四地蔵、十三番札所、正続院御朱印

国宝、舎利殿を擁する円覚寺塔頭の正続院は鎌倉二十四地蔵の第十三番札所でございます。こちらにいらっしゃる手引地蔵さまにお参りしたいのですが、お正月や宝物風入れなどの特別な日を除いて正続院の中に入ることはできません。御朱印は円覚寺拝観受付横の納経所でお願いしましょう。


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鎌倉二十四地蔵巡り 十四番札所、佛日庵・延命地蔵

円覚寺・山門(三門)

佛日庵は三十三観音巡りの最後の札所であるとともに、鎌倉二十四地蔵巡りの十四番目の札所でもあります。

鎌倉時代の後、南北朝時代に作られたと言われる佛日庵の御本尊「延命地蔵菩薩」。それほど大きくない仏像ですが、本堂に靴を脱いで上がり、歴史ある地蔵菩薩を眼前に、心静かに拝観、お参りができる心地よい場所です。

御朱印は円覚寺総門横の納経所ではなく、佛日庵にて受け付けています。こちらでは三十三観音、二十四地蔵、開基北条時宗公の3種の御朱印がありますので、二十四地蔵の御朱印を、としっかり伝えましょう。

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鎌倉二十四地蔵巡り 番外札所1「伝宗庵・子安地蔵」

鎌倉二十四地蔵、番外札所、伝宗庵御朱印

円覚寺塔頭の伝宗庵は鎌倉二十四地蔵の番外札所とされています。現在は北鎌倉幼稚園となっているため、ご本尊の子安地蔵さまは鎌倉国宝館にいらっしゃいます。伝宗庵には入ることはできません。御朱印は円覚寺拝観受付横の納経所でお願いしましょう。


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三門

円覚寺・山門(三門)

立派な佇まいが存在感を放つ円覚寺の三門は、三解脱(空・無相・無願)といわれます。三門をくぐれば煩悩は取り払われ、良い状態で涅槃・解脱の世界である仏殿に向かえるようになっています。天明(1781年〜1789年)の頃に円覚寺中興の誠拙禅師によって再建されました。楼上には十一面観音菩薩を中心に十六羅漢や十二神将、韋駄天が並びます。

仏殿

(画像)円覚寺・仏殿

円覚寺を訪れたらまずはこちらにお参りです。創建されてから幾度も災害で倒壊を繰り返してきた仏殿。最後は大正12年の関東大地震で倒壊、昭和39年に再建されました。七堂伽藍の中心に位置する重要な建物です。唐様禅宗様式。本尊に宝冠釈迦如来を祀ります。

宝冠釈迦如来

御本尊、宝冠釈迦如来

仏殿に祀られるご本尊の「宝冠釈迦如来」は華厳経の盧舎那仏と同じとされます。奈良の大仏様と同じ仏さまですが頭部の特徴的ないぼいぼした螺髪は持たず、華やかな宝冠を被り髪は結い上げた姿。通常とは異なる姿をしているため宝冠釈迦如来(ほうかんしゃかにょらい)と呼ばれます。

白龍図

白龍図

仏殿の天井絵「白龍図」
前田青邨(まえだせいそん)画伯監修、守屋多々志画伯作。
仏殿の天井いっぱいに広がる白龍図は必見です。

方丈

妙香池

お寺の住職が居住する場を方丈と呼びますが、現在は多目的に使われる場所です。年に一度行われる宝物風入れ展をはじめ、様々な行事を行なっています。門をくぐると大きなビャクシンの木がある広場に出ます。広場の左手にある百観音像は塔頭の松嶺院(しょうれいいん)に安置されていたものです。方丈の内部は一般拝観可能で靴を脱いで上がることができます。内部からは方丈裏に広がる見事な池泉庭園を望みます。堂内は実に大きな空間です。広い空間をぜひ実際に歩いてみてください。

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妙香池

妙香池

円覚寺の最も美しい景色の一つと言えるのが妙香池(みょうこうち)です。夢窓疎石の作庭と伝わります。特に紅葉時期の後ろの山々と一体となる姿は必見。江戸時代の絵図に基づき2000年(平成12年)に復元されました。方丈の裏にある池泉庭園と一体となるように表現されています。向こう岸の露出した岩盤が虎の頭に見えることから虎頭岩(ごとうがん)と呼ばれます。

佛日庵

佛日庵

円覚寺境内にある塔頭のひとつである佛日庵(ぶつにちあん)は円覚寺の開基廟です。北条時宗、貞時、高時の尊像を祀ります。緋毛氈の敷かれたベンチが備えられ、鎌倉の四季を味わいながらお抹茶をいただけます。また、延命地蔵尊をご本尊に祀る本堂内部には上がってお参りができます。

拝観料:100円(拝観とお抹茶のセットで500円)
拝観時間:4月〜10月 9:00-16:30、11月〜3月 9:00-16:00
TEL:0467-25-3562
URL:www.butsunichian.com

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正続院

(画像)正続院

塔頭のひとつである正続院(しょうぞくいん)は背後を雄大な山々に囲まれたとても神聖な空気が漂う場所に位置し、国宝の舎利殿があります。普段は僧侶たちが修行に励む場なので一般拝観はできませんが、年に一度の宝物風入れ展ではその内部が公開されます。現在、正続院がある場所は、当初は祥勝院という塔頭がありました。後醍醐天皇のころ、建長寺にあった正続院をこの地に移した時に名称も正続院と改められました。

松嶺院

(画像)松嶺院

塔頭のひとつである松嶺院(しょうれいいん)は四季の花々がとても綺麗です。普段は拝観を行なっていませんが、花の時期になると「山野草と茶花」と掲げられ拝観料を100円収めれば誰でも拝観可能です。左回りに散策路が設けられており、裏手の高台にある墓地周辺からは円覚寺の境内を見渡せるビューポイント。本尊に釈迦牟尼を祀ります。

選仏場

(画像)選仏場

仏殿の左側に位置する茅葺き屋根の建物が選仏場(せんぶつじょう)です。選仏場はその名の通り「仏を選び出す場所」という意味を持ち、修行僧の座禅道場として建てられましたが、現在は修行道場は正続院に移りました。内部は真ん中に通路があり両サイドが畳敷となっていて、シンプルで小綺麗です。堂内には薬師如来像と大慈大悲観世音菩薩像が祀られます。永禄6年(1563)に火災で焼失した後、元禄12年(1699)に大蔵経を所蔵する場所と禅堂を兼ねた建物として、伊勢長島城主松平忠充によって再び建立されました。

居士林

(画像)居士林

選仏場の隣にある風情あふれる佇まいの居士林(こじりん)では多くの参拝者が足を止めて写真を撮っていきます。夏は爽やかな緑葉に包まれ、秋は見事な紅葉に染まります。居士林は禅を志す在家(出家していない、僧侶ではない一般の人)を対象にした道場で学生坐禅、土日坐禅会など、初心者でも参加できる坐禅会が定期的に開かれています。昭和3年(1928)に移築された居士林は、もとは東京の牛込にあった柳生流の剣道場でした。柳生徹心居士により寄贈されました。

黄梅院

黄梅院

円覚寺の塔頭のひとつである黄梅院(おうばいいん)は円覚寺の総門から見て最奥に位置しています。境内は四季の花々に囲まれ静かで美しいところです。参道の先にある観音堂には中国から渡来したといわれる千手観音が祀られています。当初は夢窓疎石の塔所として建てられましたが、足利将軍家の手厚い保護を受け、以来足利氏の菩提寺としての性格が強くなりました。現在、境内は一般拝観可能です。総門からはだいぶ歩きますが、是非訪れたい場所のひとつです。

如意庵

(画像)如意庵・安寧

塔頭のひとつである如意庵(にょいあん)は、現在「安寧(あんねい)」という茶寮になっています。甘味などを提供する落ち着ける素敵なカフェですが、れっきとしたお寺なのでテーブル席の後ろにはちゃんとご本尊がいらっしゃいます。

開寮日:水、木、金曜日の10:00~16:00(諸事情により定休になる場合もあり。)
毎月第2土曜日:11:30〜と3:30〜ランチ・花むすび膳。要予約。(ランチの日は甘味とお茶は15:00〜)
TEL:080-7741-0683(開寮日時のみ対応)
「UNIQUELY鎌倉」如意庵・安寧 詳細ページ
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弁天堂

(画像)弁天堂・弁天茶屋

国宝・洪鐘とともに設立された弁天堂は長い階段を登った先にあります。江ノ島弁財天の加護あって洪鐘を鋳造することが出来たため、北条時貞によって円覚寺にも弁天堂が建立されました。
弁天堂の隣には「円覚寺洪鐘弁天茶屋」が併設されており、甘味や軽食をいただくことができます。2016年にリニューアルオープンしました。高台にあるので景色も楽しめます。

営業時間:10:00〜16:00
URL:http://www.engakuji.or.jp/blog/%E3%81%8A%E7%9F%A5%E3%82%89%E3%81%9B/11926/

白鹿洞

(画像)白鹿洞

円覚寺開堂の日に開山の無学祖元が説法を行なっていたところ、集まった多くの聴衆のもとに白鹿の群れが現れ一緒に説法を聴いたと伝わります。その白鹿はこの洞から現れたことから「白鹿洞(びゃくろくどう)」と呼ばれています。この出来事により、円覚寺の山号は「瑞鹿山(ずいろくさん)」と定められました。佛日庵の向かい側あたりにあります。

参考文献:「鎌倉古寺歴訪 みほとけの祈り」山越実 著(平成29年4月5日 発行)、「鎌倉古寺歴訪 地蔵菩薩を巡る」山越実 著(平成26年10月18日 発行)

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