円応寺

  • 円応寺石碑
  • 円応寺山門
  • 円応寺山門2
  • 円応寺の鎌倉十三佛御朱印

円応寺

笑い閻魔と地獄の番人御一行

北鎌倉の巨福呂坂(小袋坂・こぶくろざか)手前にある小さな寺院、円応寺。十王信仰に基づいて地獄の番人たちを祀っているお寺です。大寺院・建長寺の横に小さく佇む様子は目立たず、地味な印象を受けますが、中に入ると驚かされます。中世一有名であろう仏師・運慶作と伝わる迫力の閻魔大王御一行さまが待っています。十王信仰では、人は死後、地獄の番人たちから7日ごとに生前の行いについて取り調べを受け、その結果を受けてどこに生まれ変わるかが決定されます。

生きているものは、いつか必ず「死」が訪れます。その「死」への恐怖を緩和して「安心」を得て暮らして行くために、人々は昔から様々な工夫をしてきている…そんなことが垣間見れる円応寺です。

1703年の元禄大地震による大津波で現在の位置に移っていますが、創建当初は材木座のあたりに建立されていました。現在の円応寺がある場所は、当時は建長寺の塔頭があった場所だとされています。

 

名称 円応寺(新居山円応寺)
宗派 臨済宗建長寺派
所在地 〒247-0062 神奈川県鎌倉市山ノ内1543
アクセス JR横須賀線北鎌倉駅徒歩17分
拝観時間 9:00〜16:00 (冬期は9:00〜15:00)
休日
拝観料 200円
TEL
URL
駐車場 なし
駐輪場 なし
撮影 境内撮影可。堂内撮影禁止
ペット ペット同伴の参拝はご遠慮ください

円応寺・詳細情報

円応寺詳細情報

(画像)円応寺・詳細情報

◼︎名称:円応寺(えんのうじ)
◼︎正式名称:新居山円応寺(あらいざんえんのうじ)
◼︎宗派:臨済宗建長寺派
◼︎御本尊:地蔵菩薩
◼︎創建:建長2年(1250)
◼︎開山:桑田道海(智覚禅師)
◼︎開基:足利尊氏
◼︎文化財:国重要文化財として木造閻魔坐像が祀られています。その他、木造初江王像、木造倶生神坐像が国重要文化財として鎌倉国宝館に寄託されています。

「UNIQUELY鎌倉」鎌倉国宝館
「UNIQUELY鎌倉」鎌倉国宝館に行くと、お寺がもっと楽しくなる

円応寺の縁起について

円応寺・縁起

円応寺の前身となった新居閻魔堂はかつて鎌倉大仏の東の山に建っていました。1333年に起きた新田義貞の鎌倉攻めによる由比ガ浜古戦場での戦死者を弔うために、足利尊氏は閻魔堂を由比ヶ浜へ移し、このとき開山として智覚禅師が招かれました。その後、元禄16年(1703)に起きた元禄大地震により閻魔堂は大破。そして宝永元年(1704)に現在の場所へ再建され、名を円応寺と改めたと伝わっています。

鎌倉十三仏霊場 五番札所 地蔵菩薩

円応寺・十三佛御朱印

鎌倉十三仏巡り、第5番札所は円応寺の本堂に祀られた地蔵菩薩さまです。地蔵菩薩とは円応寺の閻魔大王様のことを指します。御朱印は寺務所でいただけます。

UNIQUELY鎌倉「御朱印と巡る、鎌倉十三仏」

鎌倉二十四地蔵 八番札所 詫言地蔵

円応寺・二十四地蔵御朱印

鎌倉二十四地蔵仏巡り、第8番札所は円応寺の本堂に祀られた詫言地蔵さまです。詫言地蔵は堂内の左側に祀られた延命地蔵尊のことで、十王の裁きを受ける亡者を助けてくれるお地蔵さまです。御朱印は寺務所でいただけます。

UNIQUELY鎌倉「御朱印と巡る、鎌倉二十四地蔵」

山門

円応寺・山門

建長寺の向かい側にある急な階段。赤い旗の並ぶ参道を上がると円応寺の山門があります。

本堂

円応寺・本堂

撮影禁止となっているひんやりした空気を持つ堂内は、外の雰囲気と一線を画します。実に厳かな雰囲気で、仏教的な死後の世界が垣間見れる貴重な場です。円応寺の本堂には十王像が祀られています。仏教において、死後に亡者を裁く10人の王様を十王と呼んでいます。その中でも死後14日目を審理するといわれる初江王坐像、本堂の中央に位置する閻魔大王坐像は国の重要文化財に指定されている文化的価値の高いものです。ちなみに閻魔大王はイコール地蔵菩薩さまでもあります。

十王像

円応寺・十王像

十王信仰に基づく死後を裁く十人の裁判官を祀る円応寺の本堂。右から左へ7日ごとに亡者を審理する7人の王様が並びます。初七日の秦広王(しんこうおう)、二・七日の初江王(しょこうおう)(こちらは鎌倉国宝館へ寄託中)、三・七日の宗帝王(そうていおう)、四・七日の五官王(ごかんおう)が並びます。亡者はまずこの4人により生前の罪を取り調べられ、その結果によって五・七日の閻魔大王により六道(天上、人間、修羅、畜生、餓鬼、地獄)のどこに転生するのか決定されます。その後、六・七日の変成王(へんじょうおう)、七・七日(四十九日)の泰山王(たいざんおう)により転生する場所と性別と寿命が決定されます。さらに百ヶ日の平等王、一周忌の都市王、三回忌の五道転輪王 を加えた10人によって審理が行われます。遺族は法要を行うことで亡者の追善供養ならびに自身の現世での功徳を積むことができ、来世への安楽へと繋がっています。

鐘楼

円応寺・鐘楼

小さな境内の真ん中あたりに位置している鐘楼はどこか存在感があります。小さな寺院のわりに梵鐘は立派なものです。江戸時代の後期に作られたと言われる鐘楼は茅葺き屋根で出来ています。

花々も美しい

円応寺・紫陽花

円応寺では季節ごとに美しい花も見ることができます。6月の紫陽花は派手なものではありませんが、小さな境内いっぱいに咲く様子は見事。白い紫陽花がいっぱいに咲く様子はUNIQUELY鎌倉的におすすめの景観です。秋には萩の花で参道が見頃になります。

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(画像)鎌倉国宝館

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