北鎌倉の谷戸に佇む静かなお寺、明月院。紫陽花寺とも言われるほど、梅雨時には紫陽花でいっぱいになります。明月院では、青い花をつけている「姫あじさい」という日本の古代種が95%。統一されたブルーがとても綺麗です。探してみるとピンクや紫の花をつけている紫陽花もあります。境内ではウサギやタイワンリスにも出会えるかも。
明月院の歴史は古く、起源である「明月庵」は鎌倉幕府以前からこの地にあったとされています。その後、鎌倉幕府六代執権の北条時宗、室町幕府二代将軍の足利氏満が関わり現在の明月院が建てられました。
紫陽花の季節ばかりが注目されがちですが、実は紅葉や新緑もとても綺麗なお寺。山に抱かれた場所ならではの静けさが身を包み込みます。
![]() |
福源山明月院 |
![]() |
臨済宗建長寺派 |
![]() |
〒247-0062 神奈川県鎌倉市山ノ内189 明月院境内 |
![]() |
北鎌倉駅から徒歩10分。北鎌倉駅を降りて鎌倉方面へ向かって左側の道を進みます。鎌倉街道と横須賀線との踏切へ差し掛かる手前で左折します。道なりに登って行ったところにあります。 |
![]() |
9:00 〜 16:00 (6月は8:30 〜 17:00) |
![]() |
年中無休 |
![]() |
300円( 6月は500円) / 本堂奥庭園は別途500円 |
![]() |
0467-24-3437 |
![]() |
ー |
![]() |
なし |
![]() |
なし |
![]() |
基本的に自由ですが、撮影禁止エリアもあります。 |
![]() |
基本的にNG。キャリーバッグに入れて顔も出さなければOK。 |
◼︎名称:名称:明月院(めいげついん)
◼︎正式名称:福源山明月院(ふくげんさんめいげついん)
◼︎宗派:臨済宗建長寺派
◼︎御本尊:聖観世音菩薩
◼︎創建:永歴元年(1160)
◼︎開山:密室守厳(みっしつしゅごん)
◼︎開基:上杉憲方(うえすぎのりかた)
◼︎文化財:重要文化財である上杉重房坐像(鎌倉国宝館に寄託)をはじめいくつかの文化財を所持しています。
「UNIQUELY鎌倉」鎌倉国宝館
「UNIQUELY鎌倉」鎌倉国宝館に行くと、お寺がもっと楽しくなる
平治の乱で戦死した首藤俊通の菩提を弔うため、その子である首藤経俊によって明月庵が創建されたのが永歴元年(1160)年のことです。その100年後、康元元年(1256)に鎌倉幕府5代執権・北条時頼によってこの地に最明寺が創建されましたが時頼の死後に廃絶。その後、時頼の子であった北条時宗により最明寺を前身として、福源山禅興仰聖禅寺が再興されました。この時、開山に建長寺の開山でもある蘭渓道隆を招きました。康歴2年(1380)、関東公方であった足利氏満が上杉憲方に命じて、寺域を拡大し伽藍を配備して禅興寺を中興させました。中興開山には密室守厳が招かれました。その後、室町幕府三代将軍・足利義満のころには、禅興寺は関東十刹の一位に定められ、寺名も「明月院」となりました。
鎌倉三十三観音の第30番札所は明月院の本堂に祀られる聖観世音さまです。御朱印は拝観口にある朱印所で頂けます。
「UNIQUELY鎌倉」御朱印と巡る、鎌倉三十三観音
拝観口の近くにある橋では可愛らしい兎と亀が仲良く川をながめています。
明月院の前身である最明寺の開基である北条時頼は、鎌倉幕府の五代執権でした。19歳でその職に就き、北条政権の全盛期を支えました。禅宗に深く帰依していた時頼は、建長5年(1252)には日本初の禅寺となる建長寺を創建します。その4年後にこの地に最明寺を創建。そして30歳で出家したのち、病のため37歳でその生涯を終えました。
あじさい寺・明月院を象徴する石段を取り囲む紫陽花が見事な場所です。梅雨時にはたくさんの人々が訪れます。
明月院のパンフレットにも登場しているウサギさんがいる場所です。参拝記念の撮影パネルがあります。
方丈と間続きになっている本堂にはご本尊の聖観世音菩薩が祀られています。畳の上に上がってお参りが可能です。
「UNIQUELY鎌倉」御朱印と巡る、鎌倉三十三観音
「UNIQUELY鎌倉」靴を脱いで、お堂に上がれるお寺
本堂と方丈の前に広がる美しく手入れされた枯山水の庭園です。ツツジやサツキの時期には見事なピンク色に囲まれます。
禅興寺の頃に宗猷堂(そうゆうどう)と呼ばれていた建物を明月院の開山堂としました。堂内には開山の密室守厳の木像と歴代住職の位牌が祀られています。
鎌倉十井に数えられるつるべの井です。岩盤を掘り貫いて作ったとみられます。内部が水瓶のように膨らみがあることからこのように呼ばれます。鎌倉十井の中で今でも使用できる数少ない井戸です。
数多くある鎌倉市内のやぐらで現存する最大級の大きさを誇る明月院やぐらです。壁面には釈迦如来・多宝如来と両側に十六羅漢が浮き彫りになっています。
本堂と方丈の裏手に広がる美しい庭園です。重要文化財である「明月院絵図」をもとに現在整備が進められています。ハナショウブと紅葉の時期だけ期間限定で一般公開されています。
参考文献:「鎌倉古寺歴訪 みほとけの祈り」山越実 著(平成29年4月5日 発行)、「鎌倉古寺歴訪 地蔵菩薩を巡る」山越実 著(平成26年10月18日 発行)