鎌倉駅から歩いて3分の本覚寺は町寺と呼ぶにふさわしいロケーションにあります。すぐ近くには郵便局や銀行などがあり、周囲は住宅に囲まれます。入りにくい雰囲気を持っている寺院も多くありますが、本覚寺は人々の生活に溶け込んでいて、お寺らしからぬ解放感を持っています。
鎌倉駅の東口からアクセスすると、初めに裏口にあたる門から境内へと入ります。すると、ここが町の小道のひとつなのではと思ってしまうような光景に出会います。買い物袋を下げた人や犬の散歩の人、これから出勤するのであろうスーツ姿の人など。裏門から山門へ、山門から裏門へと向かって通り抜けていく多くの地元民を見かけます。
本覚寺は永享8年(1436)に足利持氏によって建立されました。それ以前にこの地には日蓮が布教活動の拠点のひとつとしていた夷堂が建っていて、これが本覚寺の前身となりました。境内には日蓮宗の宗祖である日蓮の分骨堂が配され、総本山の身延山久遠寺に対して「東身延」と呼ばれています。初夏には蓮の花、真夏には百日紅(サルスベリ)が咲き、季節の花々も見事。また、七福神の夷尊神の祭りである「初えびす」が毎年正月に盛大に行われ賑わいます。
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本覚寺(妙厳山本覚寺) |
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日蓮宗 |
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〒248-0006 神奈川県鎌倉市小町1-12-12 |
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徒歩:JR横須賀線鎌倉駅徒歩3分 |
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9:00-16:00 |
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無料 |
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0467-22-5512 |
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なし |
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なし |
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可 |
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可 |
◼︎名称:本覚寺(ほんがくじ)
◼︎正式名称:妙厳山本覚寺(みょうごんさんほんがくじ)
◼︎宗派:日蓮宗
◼︎寺格:本山
◼︎御本尊:釈迦三尊
◼︎創建:永享8年(1436)
◼︎開山:日出(にっしゅつ)
◼︎開基:足利持氏
◼︎文化財:ご本尊の釈迦三尊のうち中尊の釈迦如来は鎌倉市の重要文化財に指定され、鎌倉国宝館に寄託されています。
「UNIQUELY鎌倉」鎌倉国宝館
本覚寺のある場所は寺院が建つより先に夷堂(えびすどう)が建てられていました。この場所は幕府の裏鬼門にあたるため、源頼朝が鎮守として夷堂を建てたと伝わります。日蓮が鎌倉で布教活動をしたとき、一時この夷堂を住まいにしたと言われます。その後、鎌倉公方・足利持氏がこの地に寺院を建て日出に寄進したのが本覚寺の始まりです。
鎌倉十三仏巡りの第3番札所は、本覚寺の本堂に祀られた文殊菩薩さまです。智慧を司るといわれ、ご本尊の釈迦如来の左脇侍として祀られています。御朱印は寺務所でいただけます。
「UNIQUELY鎌倉」御朱印と巡る、鎌倉十三仏巡り
仁王像が左右に納められた本覚寺の正面入り口です。堂々とした佇まいが立派な山門は、現存する本覚寺の建造物では最古のもので江戸時代の建立といわれます。
山門をくぐってすぐ左手にあるのが寺務所です。各御朱印や教授品はここで授与できます。ユニークなお守りも必見。
本覚寺の前身になった夷堂は境内の小高い場所に建っていて、ここから見おろす本覚寺もとても美しいものです。鎌倉七福神のひとり「夷尊神」を祀っています。当時の夷堂は、明治の神仏分離令によって蛭子神社(ひるこじんじゃ)としてすぐ近くに移されました。
「UNIQUELY鎌倉」御朱印と巡る、鎌倉七福神巡り
本堂に向かって左手前にあるのが庫裏や書院です。庫裏の入り口前には毎年美しい蓮の花が咲きます。
境内の正面にそびえる本堂は、2016年に屋根の葺替えを終えたばかりです。現在の建物は大正時代に再建されたものです。ご本尊に釈迦三尊を祀り、中尊に釈迦如来、右脇侍に普賢菩薩、左脇侍に文殊菩薩が続きます。そのうち文殊菩薩は鎌倉十三仏の第3番札所です。本堂の左手前に植えられたサルスベリは真夏になると美しいピンク色の花を咲かせ、境内に彩りを添えます。
「UNIQUELY鎌倉」御朱印と巡る、鎌倉十三仏巡り
本堂の右手前に鐘楼があり、応永17年(1410)の銘の梵鐘がつるされています。
日蓮宗総本山である身延山久遠寺(みのぶさんくおんじ)から移された日蓮の分骨を祀っています。二代目住職の日朝上人が、山梨県にある久遠寺まで参拝できない人々のために本覚寺に分骨したと伝わります。そのため、本覚寺は東身延(ひがしみのぶ)と呼ばれています。
分骨堂の手前に祀られている可愛らしいお地蔵さま。あざやかな赤い帽子が目を引きます。
鎌倉駅に近い方にある門です。こちらの門から山門へと、地元の人々が通り抜けていくのが本覚寺の日常の風景。この開放的な雰囲気が、町に溶け込む本覚寺を象徴しているといえるでしょう。