浄妙寺は金沢街道を朝比奈の方へ進んだ先にある鎌倉五山第5位の歴史ある古刹です。鎌倉中心部から少し離れたエリアながら、周囲には杉本寺や報国寺といった鎌倉でも人気の寺院が集まる場所。この辺りの地域は「浄明寺」と呼ばれ、漢字は一字違いますが当時この地域で浄妙寺の力が強かったのであろうことを想像させます。それもそのはず、かつては現在よりも広い境内を持ち、七堂伽藍に23の塔頭を従えた大寺院だったのです。
創建は源頼朝の家臣であった足利義兼です。文治4年(1188)にこの地に建てられた際、当時は真言密教の寺院でした。北鎌倉を中心に禅寺が栄え、鎌倉に禅が広まってくると浄妙寺もその流れに乗り、月峯了然(げっぽうりょうねん)が住職になったときから臨済宗建長寺派の寺院として歩み始めました。
境内はいつでも綺麗にお手入れがなされ、四季折々の花々や色づく後ろの山々によって季節ごとの表情を楽しめます。特に晩秋の紅葉の美しさは格別です。また初春には梅の花も綺麗に咲きます。境内はシンプルに山門・本堂・庫裏などがあるのみですが、喜泉庵や石窯ガーデンテラスなどお寺ならではの美味しいものを楽しめるスポットも満載です。
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浄妙寺(稲荷山浄妙広利禅寺) |
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臨済宗建長寺派 |
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〒248-0003 神奈川県鎌倉市浄明寺3-8-31 |
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徒歩:JR横須賀線鎌倉駅徒歩30分 バス:JR鎌倉駅より「鎌倉霊園正面前太刀洗行」「金沢八景行」、「浄明寺」下車徒歩3分 |
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9:00-16:30 |
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大人100円 / 小人50円 / 障がい者無料 |
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0467-22-2818 |
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あり |
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三脚使用不可 |
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◼︎名称:浄妙寺(じょうみょうじ)
◼︎正式名称:稲荷山浄妙広利禅寺(とうかさんじょうみょうこうりぜんじ)
◼︎宗派:臨済宗建長寺派
◼︎寺格:鎌倉五山第五位
◼︎御本尊:釈迦如来
◼︎創建:文治4年(1188)
◼︎開山:退耕行勇(たいこうぎょうゆう)
◼︎開基:足利義兼(あしかがよしかね)
◼︎文化財:重要文化財などに指定された文化財を所持していますが、残念ながら非公開です。いくつかは鎌倉国宝館に寄託しています。
「UNIQUELY鎌倉」鎌倉国宝館
鎌倉十三仏の2番札所は浄妙寺のご本尊である釈迦如来さまです。残念ながら非公開ですが、本堂前で手を合わせましょう。御朱印は拝観口で受付時に申し出ましょう。番号札をもらい、帰りに御朱印帳を受け取る仕組みです。
「UNIQUELY鎌倉」御朱印と巡る、鎌倉十三仏
鎌倉三十三観音の第9番札所は浄妙寺の本堂に祀られた聖観世音さまです。御朱印は拝観口で受付時に申し出ましょう。番号札をもらい、帰りに御朱印帳を受け取る仕組みです。
「UNIQUELY鎌倉」御朱印と巡る、鎌倉三十三観音
大きな緑色の屋根が特徴的な立派な本堂は、まっすぐと参道を進んだ先にあります。現在は銅板葺きの屋根ですが、昭和47年までは茅葺の屋根でした。現在の建物は江戸時代中期のものと伝わります。
山門からまっすぐ本堂へと伸びる浄妙寺の参道。綺麗に手入れされた庭園が左右に広がり、四季を通じて美しい景色が望める場所です。
生け花などで切られた草花を偲んで設けられています。草花にも感謝の気持ちを忘れない心が素晴らしいですね。
境内にある茶寮・喜泉庵(きせんあん)では、枯山水の庭園を眺めながらお抹茶とお菓子が頂けます。生菓子は鎌倉老舗和菓子店の美鈴さんのものが頂けます。
「UNIQUELY鎌倉」浄妙寺・喜泉庵
「UNIQUELY鎌倉」美鈴
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地中に埋められた水鉢の中でぽつりと落ちた水音を反響させて、その音が竹筒を通して耳元に届きます。実に奥ゆかしく日本らしい技法です。喜泉庵の縁側にあるので一度はその癒しの音をお聴きください。
「UNIQUELY鎌倉」浄妙寺・喜泉庵
浄妙寺の中興開基である足利貞氏は、室町幕府を開いた足利尊氏の父です。境内の奥に広がる墓苑の一角に立派な墓所が構えられており、参拝者は誰でもお参りができます。
お寺の境内には似合わない…と思われそうですが、綺麗な洋館も浄妙寺境内には映えるんです。「石窯ガーデンテラス」では綺麗にお手入れがなされたイングリッシュガーデンを眺めながら、鎌倉野菜を使った料理や自家製の石窯パンがいただけます。
「UNIQUELY鎌倉」石窯ガーデンテラス
参考文献:「鎌倉古寺歴訪 みほとけの祈り」山越実 著(平成29年4月5日 発行)、「鎌倉古寺歴訪 地蔵菩薩を巡る」山越実 著(平成26年10月18日 発行)