アロハな雰囲気さえ漂わせる大町大路沿いにある小さな寺院・別願寺。この辺りのお寺で最もお寺らしくない風貌をしているかもしれません。車の通りが多い道沿いにはあるものの、別願寺の前を通って目につくのは小さな稲荷社や石塔群があるのみで、木陰に隠れた本堂は一見すると一般の住宅にしか見えないのです。
しかしお寺の歴史は古く、鎌倉時代からこの地にあったお寺の一つです。当初は真言宗の能成寺(のうじょうじ)という寺院でしたが、弘安5年(1282年)に時宗の開祖・一遍上人が遊行でこの地を訪れたときに時宗に改め、寺名も「別願寺」へと改めました。南北朝時代から室町時代にかけては、足利一族が別願寺を深く信仰しており鎌倉公方の菩提寺として栄えました。江戸時代にも徳川家康からの寺領寄進で勢いのあった時代もありましたがその後衰退しています。
本堂はお隣に建てられた洋風の住宅から間続きとなっていて、週に二回開催されているフラダンスの教室もこの堂内で行われていたりします。ご本尊は阿弥陀如来で本堂の扉を開けると目の前に祀られていますので参拝が可能です。他には鎌倉三十三観音の十三番札所になっている魚藍観音菩薩も祀られます。春には藤の花が華やかに咲き誇ることでも有名です。
※参考文献 山越実 「鎌倉古寺歴訪 みほとけの祈り」かまくら春秋社 平成29年4月5日 発行
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稲荷山超世院別願寺(とうかさんちょうせいいんべつがんじ) |
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時宗 |
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〒248-0007 神奈川県鎌倉市大町1丁目11−4 |
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鎌倉駅東口から徒歩10分。若宮大路を海側へ進みローソンがある高架下手前の道を左へ。そのまま突き当たりを左へ曲がり大町大路へと入り、進んでいくと安養院の手前にひっそりと別願寺があります。 |
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無料 |
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0467-22-8501 |
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なし。近隣にコインパーキングあり。 |
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なし。 |
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撮影可能。 |
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鎌倉三十三観音の十三番札所になる別願寺。ここでは魚藍観世音(ぎょらんかんぜおん)さまにお参りしましょう。御朱印のお魚のスタンプも可愛らしい。