下馬交差点は鎌倉の大動脈・若宮大路と、長谷へ向かう由比ガ浜大通りが交差する交通量の多い交差点です。交差点の角にあるガソリンスタンドを曲がると延命寺が立っているのですが、ここがお寺であることは気を付けて見ていないと気づかないくらい、現代の街並みに馴染んでいます。コンクリートの壁で囲まれた延命寺の境内は、本堂と庫裏、そして墓苑があるくらいで観光的要素はゼロです。そんな延命寺ですが、鎌倉三十三観音や鎌倉二十四地蔵の札所に指定され、文化的価値の高い仏像を有しています。
鎌倉幕府の五代執権だった北条時頼の婦人が建てたと伝わり、天文4年(1535年)に亡くなった浄土宗の専蓮社昌誉能公(せんれんじゃしょうよのうこう)が開山と伝わっていますが詳細は分かっていません。本尊は運慶作と伝わる阿弥陀如来像です。円応寺の閻魔大王像を作った余りの木で作られたことから「余り弥陀」と呼ばれたり、予定より早く出来上がったことから「日余り阿弥陀」と呼ばれたりします。本尊の横には身代り地蔵と呼ばれる地蔵菩薩が祀られます。鎌倉初期から作られ始めた「裸形像」で立派な衣を着せて祀られています。また、本堂裏の墓苑には「古狸塚」というユニークなタヌキの墓もあります。寺伝によれば、江戸末期に酒好きの和尚のために町まで酒を買いに行く可愛らしいタヌキが和尚に懐き、村人にも可愛がられていたそう。そのタヌキの墓が今も「古狸塚」として残っています。
※参考文献 山越実 「鎌倉古寺歴訪 地蔵菩薩を巡る」かまくら春秋社 平成26年10月18日 発行
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帰命山延命寺(きみょうざんえんめいじ) |
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浄土宗 |
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〒248-0013 鎌倉市材木座1-1-3 |
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JR横須賀線 鎌倉駅東口から徒歩7分。若宮大路を海側へ行き、下馬交差点を左折。橋を渡ると踏切の手前、右側に延命寺があります。 |
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自由 |
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無料 |
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0467-22-5464 |
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なし |
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なし |
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境内撮影可 |
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延命寺は鎌倉三十三観音巡礼の十一番札所でございます。ここ延命寺では「聖観世音」にお参りしましょう。
身代地蔵(みがわりじぞう)さまは、北条時頼夫人の身代りになり裸になったと伝わります。