鎌倉駅の賑やかなエリアからほど近く、比企ガ谷という静かな谷戸があります。その最奥に建つのが日蓮宗の霊跡本山・長興山妙本寺です。総門の前には幼稚園があり、園児たちの楽しそうな声が聴こえてきます。その先に住宅街が続き、空気感が変わってくる木々が生い茂る先に本堂や二天門、祖師堂が堂々と構えます。
今では風情ある雰囲気を醸し出す美しい寺院である妙本寺。しかし、その裏には壮絶な歴史があります。鎌倉時代、かつてここは比企一族の屋敷があった場所でした。鎌倉幕府の実権を握っていた北条氏は比企氏を敵対視しており、建武3年に起きた「比企の乱」によって屋敷は焼き払われ比企一族は滅亡しました。その比企一族を弔う目的で建てられたのが妙本寺なのです。
美しい弁柄塗りの二天門や堂々とした佇まいの祖師堂は鎌倉屈指の美しさと言えるでしょう。季節の花々や紅葉とのコラボレーションもまた見どころ。この地の歴史を頭の片隅に入れつつ、境内を歩いてみると多くのことを感じられることでしょう。
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妙本寺(長興山妙本寺) |
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日蓮宗 |
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〒248-0007 神奈川県鎌倉市大町1-15-1 |
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徒歩:JR横須賀線鎌倉駅徒歩約7分 |
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9:00〜16:00 |
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なし |
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無料 |
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0467-22-0777 |
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http://www.myohonji.or.jp |
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あり |
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あり |
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可 |
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可 |
◼︎名称:妙本寺(みょうほんじ)
◼︎正式名称:長興山妙本寺(ちょうこうざんみょうほんじ)
◼︎宗派:日蓮宗
◼︎寺格:霊跡本山
◼︎御本尊:三宝尊
◼︎創建:文応元年(1260)
◼︎開山:日蓮
◼︎開基:比企熊本
◼︎文化財:国重要文化財の銅造雲版をはじめ、十界曼荼羅、日蓮聖人像などの文化財を所持しています。
妙本寺の建つ土地は比企一族が住んでいた谷戸であることから「比企ガ谷」と呼ばれます。比企一族は建武3年(1203)に鎌倉幕府の権力保持を目論む北条一族によって滅ぼされました。この時まだ幼かったため京都にいて生き延びたのが、妙本寺の開基である比企熊本でした。鎌倉に戻った比企熊本は比企一族の屋敷跡を日蓮上人に献上し、妙本寺がこの地に建てられたのです。日蓮上人は文応元年(1260)に「長興山妙本寺」と名付けました。
比企谷幼稚園の前にあるのが総門です。現存の門は関東大震災で倒壊した後に大正14年に再興されたものです。
妙本寺の鎮守である蛇苦止明神を祀るお堂で、方丈門の前を左手に登って行った場所にあります。日蓮上人は比企の乱で身を投げた讃岐局(二代将軍・源頼家の側室)の怨霊を成仏させ、蛇苦止明神と名付けてここに祀ったと伝わります。
萩で覆われた本堂は風情ある佇まいです。参拝者は本堂内に上がってお参りが可能。ご本尊の地蔵菩薩や国重要文化財の普川国師惟賢和上坐像をはじめ、多くの仏像が堂内にはずらりと並び圧巻の雰囲気です。特有の空気を感じることができるでしょう。
60段ある石段の先には本堂と事務所があります。階段の両側に紫陽花が咲く時期にはさらに風情のある雰囲気になります。
本尊を安置している本堂は方丈門を登って行った先にあります。本尊の三宝尊を祀っています。
弁柄塗りの美しい門は祖師堂の手前に堂々と建っています。カラフルな彫刻が施された門は実に美しく、季節の移ろいとともに様々な表情が見れます。
日蓮聖人は法華経こそが一切衆生を救うと考え、日蓮宗の開祖となりました。妙本寺の日蓮聖人像は、平成14年に日蓮聖人立教開宗750年と鎌倉布教750年を記念して建てられたものです。
日蓮宗の開祖である日蓮聖人を祀っています。境内の奥に建つ祖師堂は堂々とした大きな屋根が特徴的です。祖師堂の壇上を歩いてみると、谷戸の木々の音だけが静かに聴こえてきます。約170年前の天保年間に建てられたと伝わります。
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