鎌倉には「来迎寺」というお寺が二つあり、一つは西御門、もう一つがここ材木座です。源頼朝が鎌倉に幕府を開くまでには様々な人々の助けがあってこそ、成し遂げられたものでした。その中でも源氏とともに戦い、鎌倉幕府の基礎を作ったと言われている人物が三浦義明です(三浦大介義明とも言われる)。当時としてはとても長寿で、89歳で衣笠城(三浦半島にあった三浦氏の城)を守って自害するまでの間、自分の子や孫とともに平氏軍と戦い最期まで源氏に忠誠を誓いました。来迎寺は建久5年(1194年)に、三浦義明の菩提を弔うために源頼朝によって建てられた真言宗の能蔵寺が前身。頼朝の没後、音阿上人を開山に招き時宗へと改めた際に「来迎寺」となったと伝わります。
材木座の住宅街の中にある来迎寺の建つ場所はとても静かなところです。海岸線からも少し離れていて、周囲に観光客が歩いていることも稀です。広めの駐車場が完備された来迎寺の入り口には二つの石碑「三浦大介義明之墓」と「子育観音 鎌倉十四番 時宗来迎寺」が並んで立っています。綺麗な石畳の先に裏手に小高い丘を背負った本堂があり、三浦義明の守護仏と伝わるご本尊の阿弥陀三尊と鎌倉三十三観音の札所である子育観音が祀られています。本堂は扉が開けられていて靴を脱いで襖の前まで行くことができるので、中の様子を少しだけ覗くことができます。
本堂に向かって左の建物が庫裏、右側が墓苑となっていてその中に三浦義明の墓所が残っています。海風を感じられる材木座散策、鎌倉幕府が開かれるまでの壮絶な戦いを供にした三浦氏に思いを馳せて来迎寺にお参りしてみてはいかがでしょう。
※参考文献「時宗来迎寺縁起」(来迎寺本堂前に掲示されているもの。)
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隋我山能蔵院来迎寺(ずいがさんのうぞういんらいこうじ) |
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時宗 |
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〒248-0013 神奈川県鎌倉市材木座2-9-19 |
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鎌倉駅東口から徒歩20分。バスでは鎌倉駅東口の7番乗り場から鎌12系統「九品寺循環」に乗りバス停「五所神社」で下車すると徒歩5分。五所神社に突き当たったら左へ曲がると右側に来迎寺があります。 |
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9:00〜16:00 |
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無料 |
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0467-22-4547 |
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あり。無料。 |
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駐車場に停めることが出来ます。 |
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撮影可能。 |
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鎌倉三十三観音の十四番札所になる来迎寺。ここでは聖観世音さまにお参りしましょう。