鎌倉の人気寺院に必ずランクインしてくる長谷寺は、紫陽花をはじめとする花々で季節ごとに彩られる「花の寺」としても知られます。高低差を活かした境内はバラエティに富んでいて、訪れる人々を飽きさせません。
境内入ってすぐの場所では美しい池と庭園、奥にはアドベンチャー気分も味わえる弁天窟。木々の下をくぐりながら上へと向かう参道には可愛らしいお地蔵さまがいらしたり、千体地蔵尊が祀られていたり。境内の上部にはメインとなる十一面観音さまが祀られた本堂があり、さらに上部には「紫陽花の散策路」と呼ばれる展望の良い小道が続きます。展望台前でお団子を頂いて一服するのも長谷寺の醍醐味です。そんな大満足の長谷寺なのですが、Uniquely鎌倉的におすすめなのは、やはりご本尊の十一面観音さまです。
高さ約9メートル、日本最大級といわれる木造の観音様は仏像に詳しくない人でも、お会いすれば必ず何かを感じ取ってもらえるはずです。存在感と迫力は鎌倉の仏像一といっても過言ではないでしょう。心を静かに正してくれる不思議な力がありますよ。言い伝えによれば721年に奈良で一本の霊木から2体の十一面観音が彫られました。一体は奈良にある大和長谷寺に祀られ、もう一体は遠くの地で人々を救済するようにと願いを込めて海に流されたといいます。その観音さまが鎌倉に流れ着き、長谷寺のご本尊となったといわれています。
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長谷寺( 海光山 慈照院 長谷寺) |
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浄土宗系 |
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〒248-0016 神奈川県鎌倉市長谷3-11-2 |
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徒歩:江ノ島電鉄長谷駅より徒歩4分 バス:鎌倉駅西口より京急バス「梶原行」「大船行」等、江ノ電バス「藤沢行」「桔梗山行」等乗車、「長谷観音」下車徒歩4分 |
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3〜9月 8:00〜17:30(入山は17:00まで) 10〜2月 8:00〜17:00(入山は16:30まで) |
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大人300円 / 小人100円 30名以上の団体割引あり |
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0467-22-0777 |
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http://www.hasedera.jp |
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あり(近隣にコインパーキングもあります) |
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あり |
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撮影OK / 三脚禁止 |
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原則禁止。やむを得ない場合はキャリーケース等に入れて他の参拝者に配慮のこと |
◼︎名称:長谷寺(はせでら)
◼︎正式名称:海光山慈照院長谷寺(かいこうざんじしょういんはせでら)
◼︎宗派:浄土宗系単立
◼︎御本尊:十一面観世音菩薩
◼︎創建:天平8年(736)
◼︎開山:徳道(とくどう)
◼︎開基:藤原房前(ふじわらのふささき)
◼︎文化財:梵鐘、懸仏の重要文化財を所持しており、境内にある宝物館で公開しています。その他たくさんの文化財も宝物館で公開されています。
「UNIQUELY鎌倉」鎌倉国宝館
長谷寺の創建は伝承によると奈良時代とされていますが正確なことは不詳です。天平8年(736)に奈良県にある大和の長谷寺の開基であった徳道上人を藤原房前が招請して鎌倉の長谷寺が創建されたと伝わります。徳道上人の本願により楠の巨木から2つの観音像を作り、一つは大和の長谷寺の本尊になりました。もう一つは有縁の地における衆生済度を願って、行基によって海中へ奉じられました。それが横須賀の海に至り、長谷寺の本尊となったと伝わっています。
鎌倉三十三観音の第4番札所は長谷寺のご本尊である十一面観音さまです。通称「長谷観音」と呼ばれます。御朱印は拝観口入って左手の朱印所で頂けます。
「UNIQUELY鎌倉」御朱印と巡る、鎌倉三十三観音
赤い提灯が印象的な長谷寺を象徴する山門です。記念写真を撮る人が後を絶ちません。
綺麗に整えられた庭園と池が山門を入るとすぐに目に入ってきます。初夏にはハナショウブを植えた鉢が浮かべられたり、紅葉の時期には夜間のライトアップがとても綺麗です。水面に映るもみじが見事。
「UNIQUELY鎌倉」鎌倉の紅葉、名所と見頃
順路に従い階段を上がって行くと雰囲気の良い木陰が続きます。その右手に静かに佇むのが良縁地蔵さま。参拝者からもその可愛らしさからとても人気です。
福寿地蔵を祀る地蔵堂です。本堂より一段低い場所に祀られています。諸霊の供養を行っています。
地蔵堂の周りを囲むように祀られた小さなたくさんのお地蔵さまは千体地蔵と呼ばれます。生まれてくることのできなかった子供を供養する水子地蔵です。お堂の裏側からずらりと並ぶ姿は圧巻。
地蔵堂の片隅に佇むお地蔵さまはいつでも水に濡れています。水掛け地蔵と呼ばれ隣にはいつでも柄杓が置かれています。参拝者は水をかけてお地蔵さまにお参りします。
海から引き上げられたご本尊の観音さまにはたくさんの「かきがら」が付着していたといいます。かきがらによってこの地に導かれたとされ、ここへ祀られています。観音さまの漂着した6月18日が縁日日です。
現在の梵鐘は昭和になってから新しくされたものです。古鐘は宝物館に移管されています。鎌倉でも3番目に古い文化的価値の高いものです。
内部に上がってお参りができる阿弥陀堂には阿弥陀如来坐像が祀られます。源頼朝の厄災消除を願って作られた長谷誓願寺(廃寺)のご本尊であったと伝わります。
ご本尊の十一面観音さまを祀る本堂は観音堂とも呼ばれます。撮影禁止の堂内は厳かな雰囲気で、大きな観音さまを前にすると全て見透かされているような気持ちになります。鎌倉三十三観音の4番札所にも指定されている長谷観音さまです。
「UNIQUELY鎌倉」御朱印と巡る、鎌倉三十三観音
解説から35年目を迎え2015年に宝物館から観音ミュージアムへと名称を変えました。観音菩薩の教えをより分かりやすく伝えることを目的としています。重要文化財である懸仏と梵鐘も展示されています。
由比ガ浜から遠くは三浦半島までを見渡せる鎌倉随一の見晴台です。手前には江ノ電が走っているのも見えます。
中央には輪蔵(りんぞう)と呼ばれる回転式の書架を収めます。書架には一切経が書かれていて、一回転させると全てを読んだのと同じ功徳があると言われます。周囲には経文が収められた摩尼車(まにしゃ)が多数置かれ、摩尼車を回転させた数だけ経典を唱えるのと同じ功徳があるとされます。ガラガラと音を立てて回る摩尼車をぜひ回してみてください。
放生池の奥にある弁天堂には弁財天を祀ります。弘法大師が自ら作ったと伝わる弁財天像は江戸時代には「出世弁財天」と呼ばれて親しまれていました。現在、その像は宝物館に保存されています。
大黒堂の正面あたりに祀られた可愛らしい外見のお地蔵さまは和み地蔵と呼ばれます。並んで記念写真を撮る参拝者も多い、人気のあるお地蔵さまです。
平成25年に完成した書院は写経道場として使われています。毎日、写経と写仏を行なっていて一般参拝者もいつでも気軽に参加することができます。
受付時間 9:00-15:00
費用 1,000円
※10人以上の場合は要予約
境内の右側に進むと赤い鳥居の奥に洞窟があります。洞窟の中には道が続いており、壁面には弁財天像と十六童子が刻まれています。薄暗い洞窟内には屈まないと通れない場所もあり、アドベンチャー気分も味わえます。